麻雀は源流となったゲームも含めれば、その歴史は深いのですが、現代麻雀の成立は19世紀後半だと言われています。つまり欧米列強が明確になっていた時代であり、中国もその毒牙にかけられていた頃に誕生したのです。欧米の中国支配はかなり抑圧的で、治外法権を中国全土に張り巡らす方策が採られていました。上海も例外ではなく、イギリスの支配区画が存在したのです。当該地域では中国のゲームが流行し、麻雀もその一つとしてイギリス人の関心を誘いました。イギリス人が知るということは世界中の人々に知れ渡るということであり、麻雀は瞬く間に広まったのです。  麻雀の広め方は列強らしく、海路を介したものでした。当時はインド・ヨーロッパ航路が主要海路でしたから、ヨーロッパの隅々まで普及しました。特にアッパークラスでは社交の場で用いられることも多く、各国の作家が残した文学の中にも登場しています。他方、新大陸であった米国でも麻雀は広がりました。上海から太平洋を通り、直接伝播したのです。船員も退屈しのぎに麻雀で遊ぶのが珍しくありませんでした。因みに皆が中国語に長けていたわけではありませんから、役名、ルール、各種用語に使われた言語は英語でした。この英訳という手法は日本でも適用され、日本で麻雀の解説本を読む時は、専ら英文読解するのが一般的でした。  米国で流行した後はカナダにも伝わり、正に世界中の人々が麻雀の存在を知ることになりました。各地域でオリジナルの麻雀ルールが作られることも多く、アメリカでは現地の牌も生み出されました。